第2章海洋と気候変動 2.1 気象・天気と気候、気候変動と気候変動性、地球温暖化などの用語の説明

 第 1 章では、地球全体における海洋の位置づけ、海洋の諸相、および海洋に関する国際法について説明してきました。この章では海洋と地球環境、特に気候変動の関わり合いについて学習していきます。まず 温暖化の現状について述べた後、温暖化を引き起こす要因である第 1 章でも述べた「温室効果」と「温室効果ガス」について調べます。さらに、 将来の温暖化の予測と温暖化によって引き起こされる様々な影響について、海洋が関わる部分を中心に見ていきます。そして、最後に私たちが何をしなければならないのか考察することにしましょう。

 メインの話に入る前にの準備として、 気象・天気気候異常気象気候変動地球温暖化など 本章に現れるいくつかの重要な用語について、定義を明確にしておきたいと思います。

天気、気象、気候

  • 気象・天気・天候いずれも、ある場所(地域)のある時点における大気の状況のことです。 気象(meteorological phenomena )とは 気温、湿度、風、雲量、視程(肉眼で物体がはっきりと確認できる最大の距離)、雨、雪、雷など の大気の諸現象のこと。気象庁によれば、天気(weather)とは 気温、湿度、風、雲量、視程、雨、雪、雷などの気象に関係する要素を総合した数時間から数日間の大気の状態、天候とは 天気より時間的に長い概念として用いられ、5日から1か月程度の平均的な天気の状態です。
  • 気候(climate)ある場所(地域)のある期間についての平均的な気象状態。「日本の気候変動とその影響(文部科学省等)」によると、「気候」とは、一般に「十分に長い時間について平均した大気の状態」と説明されています。気候を決定する要因としては「気温」と「降水量」が最も重要です。気候の地域性や時間的な変化を解析する際の基準として、しばしば平年値が用いられます。
  • 平年値(climatological normal):世界気象機関(WMO)では、平年値は 30 年間の平均値と定義しています。

地球温暖化 、気候変動、気候変化、異常気象?

  • 気候変化、気候変動(climate change)気候の平均状態が大気組成や太陽放射など大気海洋システムの外からの影響によって長期的に変化すること気候変動に関する政府間パネル(IPCC)コラム 2.1 参照)では、人間活動の影響(人為的影響( anthropogenic ))による気候の変動や変化と自然変動を含む気候の変化を気候変動と記述しています。changeの訳は 本来は「変化」ですが、 UNFCCC (United Nations Framework Convention on Climate Change ) を国連気候変動枠組み条約 と訳したことによって、climate change が気候変動となりました。
  • 気候変動性(climate variability ):これは、WMO によれば 気候の平年状態からのずれ(偏差) を表す言葉です。本来はこちらが気候変動なのですが、「change」を「変動」と訳してしまったので、気候変動性と訳することが多いです。
  • 地球温暖化(global warming):こちらは気候変化・変動を引き起こす原因となる長期的な地球表面の温度上昇のことです。 この原因については次回以降で詳しく述べます。
  • 異常気象(extreme weather event):気象庁によれば、ある場所(地域)のある時期(週・月・季節)において30 年間に1 回以下の頻度で発生する現象のことです。

(更新 2020/09/07)

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