今回は OTEC の世界の導入状況につい見ていきます。計画されている・されたプロジェクトはたくさんあるのですが、現実に稼働しているものは日本のものを含めて6件で、最も大きなプラントの出力は 0.1 MW にすぎません。
世界の OTEC 導入状況
現在、韓国、日本、インド、フランス、中国、マレーシア、米国など、複数の国で海洋温度差発電の研究が行われています。図 9-3-1 は世界のどこで OTEC プラントが計画され、運転されているかを示すものです。赤い丸が運転中のもの、緑が建設中、ピンクが計画段階、青が構想があるものです。
運転中のもの
- 日本:佐賀 30 kW (ゼネシス・佐賀大学)
- 日本:沖縄県久米島 100 kW(2013年ー)(ゼネシス・佐賀大)⇒9.2参照
- 米国:ハワイ 105 kW(2015年-) (Makai・NELHA)
- フランス:La Réunion(インド洋)15 kW(DCNS→Naval)
- 韓国:20,200 kW(KRISO:韓国船舶・海洋工学研究院)
- 中国:10,20 kW(Quingdao 青島、Qingdao National Laboratory for Marine)
建設中のもの
Kiribati:タワラ島 1 MW (KRISO)
規模の大きなものについて、もう少し詳しく紹介しようと思います。
ハワイの Makai プラント
マカイ・オーシャン・エンジニアリングが建設したOTECプラントが、2015 年 8 月にハワイで稼働を開始しました。 これは、米国の電力網に接続された最初のクローズドサイクル型 OTEC プラントです(作動流体:アンモニア)。約 120 世帯分の電力に相当する 105 kW の発電が可能な実証プラントです。海洋深層水の取水はハワイ州立自然エネルギー研究所(NELHA)が実施しています。
https://www.makai.com/renewable-energy/otec/
KRISO の OTEC プラント
韓国船舶海洋研究所(KRISO)は、2021 年から 22 年にかけて、バージ船に搭載した K-OTEC 1000 をキリバス島タラワに移設する計画です。
(更新 2022/10/29)