第7章 7.2 波パワーの分布

 

 前回は波のエネルギーとパワーの関係式を導出しました。今回は波パワーの式を使って、日本周辺の波力発電のポテンシャルを算出したいと思います。

波浪観測から波パワーの算出

 前回勉強した不規則波の波パワーを求める式は下記でした。

$$ \overline{P} \simeq 0.5 H_w^2 T_w^2 \hspace{10pt} [kW/m] $$

 ここで \(H_w\) は 有義波波高、\(T_w\) は平均周期でしたね。では、つぎにこれらの波高や周期はどうやって求めるのか調べてみましょう。これらの値を求める為には波浪観測を行います。波浪観測にはつぎの様にいくつかの方法があります。

  • 沿岸からの波浪観測:海岸からマイクロ波や超音波を海面に向けて照射し、その反射波を測定する方法や水中に圧力計を設置して、圧力変化から水面の変位を検出する方法などがあります。
  • 船舶からの波浪観測:上記の観測を船舶から行う方法です。
  • ブイによる波浪観測:海面に浮かべたブイにGPSや加速度センサーを設置して観測する方法です。
  • 衛星による波浪観測:衛星からマイクロ波を照射し、その反射波を測定する方法で、その精度はブイよりやや悪いです。

 このようにして(おそらく衛星による波浪観測から)求められた波高と平均周期から、図 7-5 に示す様な波パワーの分布図が作られます。緯度が40度を超えるところで波パワーが大きくなっており、大きなところでは 100 kw/m を超えています。 ここでは偏西風が波を作り出しています。西からの風であるため、大陸の西側の海岸で波パワーが大きくなります。

図7-5 世界の波パワーの分布

日本周辺の波パワーの分布

 つぎに日本周辺の波パワーを見てみます(図7-6)。太平洋側の沖合で波パワーは大きくなりますが、それでも 20~30 kW/m で世界の適地にくらべれは波パワーはそれほど大きくはありません。

図7-6 日本周辺の波パワーの分布

(更新 2021/12/08)

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